2016-05-28から1日間の記事一覧

制度論

東京芸大には優秀なスタッフが揃っているのだろうし、それは昨日今日のことではなく、もしかすると、桐朋あたりの私大が国際コンクールの入賞者を輩出してマスコミを賑わせて、生徒をたくさん集めていた頃から既にそうだったのかもしれないけれど、外から見…

外来語の効用

そういえばドイツ語の(まともな)論文では、musica とか beaux arts とか、外来の概念を原語のまま埋め込んであることが多い気がする。新聞やテレビでも、気取った感じにフランス語が混ざったり、最近の風俗を語るときには普通に英単語を交ぜていた記憶があ…

たぶん電波は「網」ではない(2)

電波は、農業由来と思われる散布 broadcast の技術として運用されており、近代の都市整備が発祥の水道・ガス・電気のような網 network を形成しているわけではない。この区別は、色々応用が効きそうだ。(1) 蓮實重彦がテレビ嫌いなのは、生粋の都会人で、農…

放送と農業:たぶん電波は「網」ではない

AP

Audible Past の第5章は、音響再生産技術に対する人々の信頼がどのように形成されたか、という、「社会性」を取り扱おうとしているようで、だからこそ導入部で価値形態論風の議論が呼び出されているのだと思うのだが、後半はちょっと食い足りない。電話やラ…

物語の算術、記号の代数、文化の測量

virtual の語を意識しながら「虚構の時代」という言葉を東大教授が流通させた20世紀末は、傍目には教養部表象文化が「ヴァーチャル派」、文学部美学が「フィクション派」だったように見えていたのだから、「フィクションという名のヴァーチャル」というキメ…