2016-06-08から1日間の記事一覧

「小狂詩曲」の周辺、1960年代の大栗裕

大栗裕が1966年の吹奏楽コンクール課題曲「小狂詩曲」を発表する以前に、大阪府警察音楽隊のために作曲した2つの作品。こちらは1963年作曲。二つの踊り(大栗裕)こちらは、第1番が1964年、第2番が1965年(ということは小狂詩曲作曲の数ヶ月前)。吹奏楽の…

IFの領域

「もし○○が今生きていて、この問題を考えたとしたら……」という仮定にどう対応するか。残された著作等から、いわばその人物のクローンを再生するように○○の思想を再構成して、そのようなクローンに当該の問題をインプットしたらどうなるか、とシミュレーショ…

ヴォツェックのLP

昭和27年(1952年)の芸術新潮9月号の座談会で、吉田秀和は「先日、中島健蔵の家でヴォツェックのレコードを聴いた」と言っている。ミトロブーロスのLPだと思うのだが、ヨーロッパへ行く少し前まではこういう状態だったんですね。別の号では、鳴り物入りで来…

異化効果の有効範囲

Wikipedia の英語版とドイツ語版で Peter Konwitschny の項目を比較すると、ベルリン仕込みの異化的な読み替え演出が英語圏では不発に終わって、関心を呼んでいないんだろうなあ、と思わせられる。異化効果は不発に終わることがあって、その感じは、お笑いで…