2016-06-19から1日間の記事一覧

ガリ勉と高等遊民

柴田南雄の1970年代の変質は、さしあたり作曲活動における路線変更、引用の織物として構成された「行く川の流れは絶えずして」や「追分節考」以後の一連のシアターピースがメルクマールになるわけだが、どうやらこれは、メタムジークが言われはじめた欧米の…

Verfremdungseffekt の初出

シクロフスキーの「手段としての芸術」は『散文の理論』の巻頭に収録されて、「非日常化」の訳語が用いられている。これは底本も日本語訳も、書かれている論旨もすっきりわかりやすい。(シクロフスキーはトルストイの小説などを引用して異化を説明しており…