2016-07-01から1日間の記事一覧

文と虚

「読むこと」それ自体ではなく、おそらく「読む」と「読まない」の差異が鍵になり、これが、「書く・書かれる」と、「書かない・書かれない」の差異に接続されると、微弱に政治が発生する。humanities はそこに賭ける傾向があるが、この島の文のたしなみと識…

読者論とテクスト史観

前田愛がよくわからない。少し上の世代がよく名前を出した(浅田彰『逃走論』のブックガイドにも紹介されていた)けれど、気がついたら本人が早世して、主な著作は絶版になって古書などで入手するしかなくなっていた。80年代の著作が文庫になっていて、国文…

現代の国学

メロドラマ、ナラトロジー、フィクション論のあたりの文献を少しずつ見ているのだが、メロドラマについては、前にも書いた MGG の Monika Schwarz-Daanuser の melodram の項目が現状でのサーベイとして出色、という認識でいいようだ。ナラトロジー=物語論…