2016-07-26から1日間の記事一覧

音楽の「ニュース性」

芸術新潮1980年の分をミスでチェックし損ねたので1年分飛んでしまうが、1981年から同誌がA4判になる。ART NEWS というコーナーが巻頭に設置されて、音楽にも毎回見開き2頁が割り当てられている。公演評だけでなく、論説欄があり、「音楽評論家宇野功芳は色香…

downcast eyes

Pな人々が集合しているのを見ると、みなさん伏し目がちな独特の姿勢で止まっている。マーティン・ジェイな沈思黙考ではなくスマホを凝視しているわけだが(笑)。スマホを高々とかざして、Pを周囲の実写と重ねるARモードは、早々にオフにしている、というこ…

1976~1978年補遺

吉田秀和の連載が最終回となる芸術新潮1976年8月号と翌月号に、梅原猛が三橋節子の評伝を書いている。どちらも一挙200枚という異例の分量で、たぶん梅原の持ち込み記事だと思う。古代史ブームの1970年代とは、思えば、「発見/発掘」の時代だったのかもしれ…

エッセイをベテラン文化人が書き、レビューを現役記者が書く「普通の雑誌」

1979年1月号から芸術新潮の誌面構成が再びてこ入れされる。芸術雑誌における音楽の扱い、という点では、どうやらこの改編が、今度こそ決定的であったようにも思われる。1978年12月号で、それまでの中途半端な扱いを軌道修正するかのように、同年秋のコンサー…

芸術における「今太閤」の時代

どこから書けばいいのか決めかねているのだが、とりあえず、武智鉄二はつくづく不運な人だと思う。古代史ブーム/地方の時代/日本の伝統の見直されるべき故郷としての関西(そしてほんのりオカルト)という1973年以後の芸術新潮の路線は、1950年代に大暴れ…