2016-10-05から1日間の記事一覧

三好達治から新声会へ - 中田喜直の戦後

「戦後の音楽」というと、戦前からのモダニスト(伊福部、深井、諸井など)から1930年代生まれの前衛のスターたち(黛、武満、三善など)への鮮やかな世代交代と価値転換が話題になる。片山杜秀の仕事は、長木誠司らが先行する評論・研究から継承した前衛音…

誰がどのようにアーカイヴの作成に横槍を入れてきたか

どこかのまとめサイトで「アーカイヴ作りにしかるべき予算と専門知識が必要なことは当たり前ではないか」というコメントが付いたそうだが、ゲームのような学術研究領域としてまだ十分に認知されていない対象だけでなく、既にしかるべき機関が所蔵している貴…

研究職と事務職の関係

日本政府のような総合的な統治機構のことはわからないが、日本音楽学会に関して言えば、歴史的な経緯から最初の30年くらいは本部事務局と学会誌編集を東京藝術大学楽理科(と音楽之友社)ががっちり握る形で運営されていた気配がある。私が院生で入会した198…

大義はない

文科省から自分の所属している大学・学部がどれくらいの補助をしてもらえるかどうか、という金勘定に帰着する議論は、学問の大義とはほとんど関係がない。筋の悪い議論を仕掛けられて、その土俵で「学問の大義」を弁じるのはやめたらいいのに、と、世間は思…