片山杜秀「関西作曲家列伝」第2回「大阪主義者」大栗裕、「大阪俗謡による幻想曲」初稿の作曲年、それから「新・八犬伝」のこと

片山杜秀さんが、いずみホールの無料PR誌『Jupiter』に「関西作曲家列伝」という連載を寄稿していらっしゃいます。前号の第1回が貴志康一で、今出ているVol.115が大栗裕。大栗裕について、ずばり「反骨精神」という言葉を使って書かれたのは私の知るかぎりはじめてだと思います。このキーワードがあると、ポジションがくっきりしますね。なるほど、です。

そういえば、辻久子の本によると、戦前、巌本真理と二人が天才少女で並び称されていた頃、東大には巌本ファンが多く、早慶には辻ファンが多かったとか。大阪は「反官」の気風と親和性があるのでしょうか。

同行二人、弦の旅 (なにわ塾叢書 (77))

同行二人、弦の旅 (なにわ塾叢書 (77))

(『Jupiter』はホールへ行くと入手できるはずなので、エッセイの内容は現物でご確認ください。)

ここでは、片山杜秀さんが「1955年」としていらっしゃる「大阪俗謡による幻想曲」の作曲年について、私が把握しているかぎりのことを少しだけ書いてみます。

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