まとめ:書の国ニッポン千年が音楽の国ドイツ二百年に懸想した顛末

一連の「音楽の国ドイツ」問題をそろそろまとめてみたい。こういうデカイ話は大ホラで終わるのがたぶん一番いいのだと思う。

中国を盟主とする東アジアの辺境で古事記や源氏物語の頃からひたすら読み書きされてきた書き物一般がこの島で果たした役割、読み書きにこの島の人々が与えている位置づけというものが一方にある。

そして他方で、ユーラシア大陸の反対側の端っこでは、入植したローマ人が衰退して以来、土地の私有という概念が異常に強固で、1500年くらい延々と細分化された土地をめぐる戦国時代が続いており、このヨーロッパと呼ばれる地域から出てきた有力国のひとつは、ほぼ200年前から、「(自国の)音楽について書く」という行為にやたら熱心に取り組んでいる。

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