ザ ハープ コンソート「哀愁のケルト」

午後、京都府立府民ホール・アルティ。パーセル時代のアイルランドの音楽家、カロランの作品集。歌と楽器とダンスをバランスよく組み合わせたステージングは、いつもの通り。ハープをベースにした、薄味の響きのアンサンブルが、なぜこれほど魅力的なのか不思議なのですが、ひとつには、アイルランド、イングランドという、中心を外れた島から、ヨーロッパを眺めるスタンスだからかもしれないと思いました。アイリッシュ・ハープの魔法のような音色、ケルト風の吟唱が、フランス宮廷風の舞曲、イタリアのコンチェルト様式と混じり合うのを聞いていると、大陸中心の常識的な音楽史の構図を快く忘れてしまう、そんな気がしました。