大井浩明クラヴィコード・リサイタル「カツラを脱いだバッハ」

午後、京都府立府民ホール・アルティ。「平均律」第1巻の2時間以上をかけた全曲演奏。音が聞き取れないなどの声もあったようですが、それは、クラヴィコードを使う時点でわかりきったこと。どの席を確保するかというところから、演奏会は既に始まっていたのだと言えるかもしれません。このイベントは、もはや、近代的な公開コンサートではないし、「音楽の父」バッハによって、コンサート制度を失調させるというのは、実に愉快なことだと、私は思いました。