大阪フィルハーモニー交響楽団第385回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。大植英次の指揮で、マーラー「交響曲第6番」。2年前の5月に、同じマーラーの「復活」で就任披露をした大植さんの、いわば音楽監督第一期の節目になる選曲・演奏だったように思います。

冒頭の迫り来るバスの刻みから、尋常ではなく殺気立っていて、一気に最後まで突き進みました。

打楽器を強調した、確信犯的にけたたましい響き、硬いものが耳に直接ぶつかってくるような音の感触は、ほとんどストラヴィンスキーみたい。

カール・ダールハウスが、「マーラーの奇妙な人気について」という1970年代のエッセイで、マーラーは、古くさいようで新しく、新しいようで懐かしい、その二面性が、広い人気を獲得してしまっているのかもしれない、とやや皮肉な見方をしていましたが、この演奏は、完全に「20世紀音楽としてのマーラー」だと思います。

音を素手で直接つかもうとするような、「触覚的な」モーツァルト。すべての音を、常識とは逆方向にねじってしまったような「春の祭典」。そういう、この2年間の公演に垣間見えていた、「芸術家」(単なる「楽団管理職」ではなく!)としての大植さんの姿が、逃げも隠れもせず、露出した演奏だったのではないでしょうか。