関西フィルハーモニー管弦楽団第172回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。シューベルト「ロザムンデ」(魔法の竪琴)序曲は、響きを整理した弦楽器の上で、木管が細かく表情をつける、かわいらしい仕上がり。ベートーヴェン「田園」は、第1、2楽章の生成する自然や、終楽章の祝祭的な讃歌のイメージを大切にする演奏でした。指揮のゲルハルト・ボッセには、こうした19世紀初頭の音楽(メンデルスゾーンにつながるような)が一番あっているような気がします。(アイデアが明確な割に、オーケストラをまとめ切れないところが、いつも、残ってしまうのですが……。)

シュポアのヴァイオリン協奏曲「シェーナの様式で」を独奏した中島慎子さんは、室内楽風の、パートナー(オーケストラ)と聴き合うスタイルをベースに、今は、かなりのオーバーアクションで、楽器に表情を込めようと努めておられるようでした。