大阪シンフォニカー交響楽団第101回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。指揮者の寺岡清高は、高感度のオーディオ装置みたいにクリアなサウンドを作り上げるので、とても評価が高いようですが、私には、(前も書きましたが)調的和声の感覚のない人のように思えます。マーラー「花の章」のメロディの導音進行に無反応だったり……。ブラームス「交響曲第2番」は、まるでロマン派サロン音楽をピアノで弾くみたいにディスカント声部を際だたせて、バスの上にのる和声の組み立ては、よくわからないままでした。ベルク「ヴァイオリン協奏曲」の純結晶のような響きは確かに美しいのですが(矢部達哉の代役、四方恭子の独奏も正確で繊細)。