びわ湖ホール声楽アンサンブル第28回定期公演「ふたりの愛が永遠につづくのなら…」〜オペラにおける不変の愛〜

午後、びわ湖ホール中ホール。松尾葉子の指揮で、モーツァルト「魔笛」とウェーバー「オベロン」の抜粋。「魔笛」は、ストーリーの説明などもなく、有名な曲を順に歌うのみ。「オベロン」は、蔵田裕行の語りで筋を追いながら、うまく構成されていました。(できれば、この形式で「オベロン」全曲をやってほしかった……。)

ウェーバーの音楽が、小編成のアンサンブル(京都フィルハーモニー室内合奏団)でも、十分に効果を発揮するのが驚きでした。ウェーバーは、ドイツ各地の、イタリアオペラより、はるかに非力なドイツオペラ団のために作曲していたわけで、斬新だけれど、実用的に書かれているということなのでしょう。

なお、「魔笛」と「オベロン」に共通点が多い、というのが今回の企画の出発点で、そのキーワードが、おとぎ話における「不変の愛」ということなのですが、両者が似ているというのは、ウェーバーが、ジングシュピールやオペラ・コミークの劇場から出てきた人だという文脈で考えないといけないことでしょうね。(ウェーバーの前にも、オベロンの物語によるジングシュピールが書かれていますし。)