三戸久史 古典クラリネット・ファンタジー

ザ・フェニックスホール。古典クラリネットとフォルテピアノ(山名敏之)でウェーバーやシューベルトを吹く興味深い企画ですが、三戸さんの演奏は線が細く、ベアマンの表現力に富んだ演奏を想定した作品(ウェーバー「ジルヴァーナ変奏曲」やメンデルスゾーン「ソナタ」変ホ長調)の魅力を引きだしきれなかったように思います。この時代のクラリネット、特にウェーバーの作品は、いわゆる「ドイツ・ロマン派」の室内楽というよりも、オペラ風のベル・カントに近い歌い方が求められるのではないでしょうか。