エスペリオンXXI

ザ・フェニックスホール。「ドン・キホーテ」とセルバンテスの時代の音楽というテーマで16、17世紀スペインの歌と舞曲。ステージも客席も、普段のクラシック・コンサートとは違うオシャレでくつろいだ雰囲気でした。ヴィオラ・ダ・ガンバのサヴァールがリーダーなのは間違いないけれど、いわゆる通演低音風に全体を統括するわけではなく、メンバーが緩やかに連携しながら音楽をつむぐスタイル。また、歌もパーカッションも、ドイツ風の強弱アクセントではなく、音の長短の組み合わせでリズムや韻律を作っていました。これは、一昔前のバッハ演奏が典型であるようなゲルマン系のバロック像とはまったく違う、知的だけれど開放的なラテン・バロックと言えそうな気がします。