高木和弘・無伴奏ヴァイオリンリサイタル第2夜

ザ・フェニックスホール。第1夜(10/26)をやり切ったあとで、正直、第2夜は、私には蛇足に思われました。高木さんの演奏は、「無邪気に歌うことだけはしない(できない)」という自意識のこわばりのようなところから出発していて、第1夜のパガニーニは、音楽をカンタービレ以外のものでびっしり埋め尽くす力業であったと私は思っています。歌心のない「庭の千草(最後のバラ)変奏曲」、メロディの喜びのないバッハ(無伴奏パルティータ第2番」)は、虚ろな廃墟のように聞こえました。西村朗「無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番<霊媒>」を含めて、実質1時間に満たない演奏会。