来年度の大阪フィルハーモニー交響楽団

午後から、リーガ・グランドホテルで、大フィル来年度の事業計画の発表会に行ってきました。来年は大フィル60周年の節目に当たるとのことなので、どういうことを予定しておられるのか興味があったので。

詳細は、いずれ公式サイトや関西クラシック音楽情報(管理人のhorinさんも来ておられました)などに掲載されるでしょうから、そちらでご確認ください。

定期演奏会10回(うち大植英次4回、大フィル合唱団は大植さん指揮のフォーレ「レクイエム」に出演)以外に60周年記念公演がいくつかあって、その一環として、大阪城西の丸庭園の野外コンサート(4月予定)と、御堂筋の大阪クラシック(9月予定)を来年もやるそうです。

たぶんこれが一番話題になるのだろうなと思ったのは、これも60周年記念公演となる大植英次の<ベートーヴェン・チクルス>。

第1回 6/5(火) ザ・シンフォニーホール(第1番、第2番、第3番)
第2回 8/31(金) ザ・シンフォニーホール(第4番、第5番、第6番)
第3回 11/29(木) ザ・シンフォニーホール(第7番、第8番)
第4回 12/29(土)、30(日) フェスティバルホール(第9番、独唱者未定)
*開演はいずれも19:00
(正確な情報は公式サイト等で確認してください)

交響曲全曲を、4回にわけて、番号順に演奏していくそうです。

これは、年末のフェスティバルホールの大フィル「第九」公演に大植英次さんが遂に登場、ということでもありますね。

会見の説明では、楽団側に、是非、年末の「第九」を大植さんにやって欲しいという要望があった。でも、大植さんとしては、特別な作品なので、「年末の恒例行事」という形ではやりたくないという考えだったそうです。今回は、60周年で、一年を通してベートーヴェンの曲に順番に取り組んで、その集大成として最後に「第九」をやる。そういう形ならば意味がある、という大植さんの判断なのだそうです。

会見やその後の懇親会で、大植さんは、何度も「チクルスというのは、お客さんにとってはとてもわかりやすいけれど、音楽的にはあまり意味がないと、僕自身は思っている」と言っていました。(もしかすると、大植さんが何かの「チクルス」をやるのは、今回が初めてなのでしょうか?)

「大フィル音楽監督就任五年目で、ベートーヴェンに取り組むには適切な時期。」「やるなら、第1番からきっちり順番にやっていく。」「イベント的に短期間に全曲やるのではなく、1年かけて、ひとつずつ取り組んでいく。それならば意味がある。」という説明でした。

第1、2回は3曲ずつで、かなり長い演奏会になりそうですね。

第3回で、第7番を先にやって、小品と見られがちな第8番で終わるのは冒険かもしれない、ということが、懇親会で出席者と大植さんの間で話題になっていました。

(私自身は第8番に焦点を当てるプログラミング、とても面白いと思います。8番は本当に良い曲ですし。)

大植さんは、どんな作品でも、アンサンブルの機能美と、楽譜から読み取った「自分の考え」で作っていく人だと思います。独自のベートーヴェン解釈を世に問う、というよりも、大フィルが(大フィルと音楽監督の大植さんが)今何をできるか、何をすべきか、オーケストラの舵取り役としての判断から出てきた企画なのかな、という気がします。