延原武春&大フィルのハイドン「驚愕」とベートーヴェンの第四交響曲(大阪フィルハーモニー交響楽団いずみホール特別演奏会)

延原武春さんとテレマン室内オーケストラは、昔、朝比奈・大フィルが年末の第九をものすごい回数やっていたころに「100人の第九」で話題になっていたのを知ってはいましたが、実際にわたくしがいろいろな演奏会を聴かせていただくようになったこの十年くらいは、正直言って、いまひっとつピンと来ない印象で……、申し訳ないと思いつつやや遠巻きにする感じになっていたのですが……、

でも、今回から、いずみホールではじまった大フィルとの共演は、オーケストラも意欲的で、いい演奏でした。

ミストーンが多い、とか、そういう表層的な理由で大フィルの金管は上手くない、と思いこんでいる人は、黙ってまず、このシリーズを聴くべき。力任せや、音を当てるためだけに、一見カッコイイけれど硬直した吹き方をするような人に、この演奏は無理。地力のあるプレイヤーでなければ、このサイズのホールで、この多彩な響きは作れないと思います。

(先日の定期演奏会では、イオン・マリンの要求が細かすぎて、トランペットが、ミスはないけれど当てに行く吹き方になってしまっていた気はしますが……。)

関西のオーケストラと指揮者が本気でベートーヴェンに取り組む姿を、本当に久しぶりに見た気がします。ベートーヴェンのスコアに、こんなに面白い音がたくさん書いてあったとは。