「「夫婦善哉」がオペラになった?!」NHK公開録画完了と、8/28講演会のお知らせ

本日は、NHK大阪放送局開局85周年記念「よみがえる関西のオーケストラ作品」公開録画。

大栗裕の歌劇「夫婦善哉」(一部)とラジオミュージカルス「待てど暮らせど物語」。三善晃の音楽劇「金の魚の話」。宮原禎次の「大大阪」。

ひとつだけでも目玉企画になりそうな関西ゆかりの重要作を惜しげもなく並べて、しかも第1部で演奏された錚々たる作曲家による「ラジオ歌謡」の数々はオリジナル・スコアによる演奏ですし、贅沢なコンサートでした。

(大阪音楽大学ザ・カレッジオペラハウスのブログにレポートが出ています。宮原禎次「大大阪」での巨大セットなど、写真満載。http://d.hatena.ne.jp/The-College-Operahouse/20100810

それにしても、大栗裕の「夫婦善哉」。丁寧な演奏で、PA入りでしたがその分、声とオーケストラのバランスも良く、私も予想していなかったほどお客さんの反応があり、感無量でございました。決して「際物」ではない。番組の流れとしても、大切に扱っていただけたのが嬉しかったです。

さて、そして、「こんな面白いオペラがあったのか」と興味をもってくださった方へ、

8/28にこういう講演会をやることになっています。

大阪市立中央図書館 連続講座「おおさか興味深深(しんしん)」第2回:「「夫婦善哉」がオペラになった!?―大栗裕と大阪の洋楽史」

http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000085911.html

http://www.oml.city.osaka.jp/topics/kouen2010.html

4回シリーズの1回です。

入場無料です。

関西のクラシック音楽は、決して阪神間山の手だけのものではなかった。大阪ミナミの洋楽史といったお話になると思います。

よろしければ是非。

(追記:講演会終了後のまとめはこちら。http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20100828/p1

      • -

番組の内容は、これを編集してオン・エアするまで完成ではないと思うので具体的には書きませんが、

改めて考えますと、NHK大阪(JOBK)は大坂城のお堀端に、大阪府庁や大阪府警とならんでドンとそびえ立っていますし、コンサートの公開収録という形は、お客さんの反応がありつつ、収録したものが電波で流れるということで、出演者の皆さんや演出が独特のテンションになるのだな、と思いました。

日常的に番組を作って流す東京キー局だと、また違うのかもしれませんが、今回はJOBK開局85周年という看板もあって、本当に立派なものを作ったなあ、と感心してしまいました。

当日行くまでわからなかった複数のゲストのご出演もありまして、このあたりも、放送のお楽しみになりそうです。

      • -

JOBKには、かつて専属の放送管弦楽団と放送合唱団がありました。今回の番組のひとつの柱の「ラジオ歌謡」は放送合唱団が歌いましたし、大栗裕の「待てど暮らせど物語」の1957年の放送も、歌は宝塚歌劇団の出演でしたが、オケは放送管弦楽団でした。

実は、昨年から、わたくしの地元茨木にお住まいで、かつてBKの放送合唱団にいらっしゃった方に、何度かお話を伺っていました。BKの合唱団が出演するお昼のテレビ帯番組があったとのことで、その写真なども見せていただきました。

その方は、この春にお亡くなりになりました。

今度の公開録画のプログラムでも、片山杜秀さんがBKの合唱団について書いてくださっていますが、

その方は、大阪の放送合唱団が各局の合唱団のなかでもナンバーワンの実力で、放送だけでなく、自前の演奏会もやっていたのだ、と誇らしげに語ってくださいました。(BKの合唱団は、本当に当時の第一線の作曲家、指揮者と仕事をしていたようです。)

今回、「ラジオ歌謡」がライトアップされた舞台で歌われている見ながら、こういう華やかなステージでBKの合唱団はやっていたのだなあ、見ていただきたかったなあ、間に合わなかったなあ、としんみりした気持ちになってしまいました。