大阪フィルの定期、今回は2日とも聴かせていただきまして、隣の席で若い娘が上司に接待しているのを傲然と無視しつつ(笑)、大植英次の指揮するマーラー9番を聴いていたわけですが、
(とはいえ念のために申し添えると、社用の接待は重要です。フェスティバルホール時代の大フィル定期といえば、仕事帰りの皆さんが客席を埋めていたわけで、「民間」の「強いオーケストラ」というのは、そうした方々にご愛顧いただくことでお金が回るシステムを構築することに他なりません。「女子力」をフル活用して、オジサマ方を会場へ引っ張ってきていただき、夢のようなひとときを体験していただく広い意味での「水商売」な在り方は、まことに正しい、興行になくてはならない一面です。(「都市魅力」が大好きなご兄弟は、そういうことを含めてものを考えているのかどうか……。)ともあれ、ここで言っているのは、それが私個人が請け負っているのとは別の種類の職分で、評論家がそういうのに関わり合いになると、たぶん良くないことが起きるから一切無視する、ということに過ぎません。
エレガントに人をもてなすためには、時には自分が行っていない演奏会について、評論家の言葉をあたかも自分自身の言葉であるかのように装って語らねばならない場面もあるのでしょう。そのように書き手を離れて批評の言葉が他人の間を流れていくことは、むしろ、悦ばしいことなのかもしれませんし、「使えるものは何でも使う」必死のパッチな女子力の裏側が垣間見えて微笑ましいかもしれません。
そういう風に書き上げた(白石の言葉が出典を示さずに混じっている)文章を読まされて、感想を言え、誉めろ、と言われても絶句するしかないわけですが(苦笑)。もう2年目に入って新人ではないので、これからは、そういうパクリは止めて、正々堂々と自分自身の魅力で世の中を渡っていってくださいね(笑)。閑話休題。)
今日は大阪音大で一般の方々向けに指揮者論をやります。昨年から年2回くらいのペースでオーケストラ入門を担当していて、その3回目です。
というわけで、いずみホールにて、おしゃれなフレンチを振る飯森範親氏を拝むかわりに、本日の午後は庄内の教室でクレンペラーやカラヤンやクライバーや朝比奈隆の映像を眺めます。
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で、あれこれ素材を探して、バーンスタインの何かいい映像はないかと見直していたら、若き日の大植英次の指揮姿を発見。
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アシスタントとして一瞬出てくるだけですし、「最後のバーンスタイン」としてNHKが何度も再放送した有名な映像ですが、マーラーの9番の演奏について今回は一切コメントしないことにしようと決めていたら、むしろ演奏会が終わったあとまで大植英次を抱え込まねばならなくなってしまったようで。^^;;
たぶんこの映像も使います。バーンスタインの「雄弁術」の格好のサンプルだと思うので。