音楽評論のなかのサラリーマン文化

何かを誉めるための前振り、スプリングボードとして、悪態をつき、他をけなさないと気が済まない人、というのがいる。

「関西のオケはどうしようもない状態であるなかで、○○だけは素晴らしい」

とか、

「世間では××という国は音楽不毛の地だと言われているが、■■を聴くと、そうとは言い切れないことがわかる」

とか。

わたしは、こういう語法に昭和のオヤジ臭を感じる。

「キミのことは、ブスで服装もダサいし、使えない子だなあと思っていたんだけど、なかなかやるじゃない。今度のプレゼン良かったよ。すっかり見直しちゃった。今夜、一杯どう?」

と上司に言われて、そのOLさんは喜ぶだろうか、っていう話なわけだ(笑)。

正直でわかりやすい人、ということではあるのだろうし、案外そのまま上手くいっちゃったりするのかもしれないけれど。(女の子だって、今はこの男に付くと有利、単細胞で操るのは簡単そうだし……、とか、打算は当然するわけだから。)

こうして人間関係が回っていくわけですな。わたくしのなかの分類では、これもひとつの典型的な「岡田暁生メソッド」です。

マネしたい人も、このスタイルは趣味に合わないという人も、何かのご参考になれば幸い。

片山杜秀の本(5)線量計と機関銃──ラジオ・カタヤマ【震災篇】

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最後の回が、あのタイトルで「女の話」になるとは思わなかった。吃驚。