パーヴォ・ヤルヴィの感想を書く参考になるか、と前に買ったのを取り出しつつ、でも油断すると全部見て徹夜してしまいそうなので2番の1楽章だけで止めましたが、改めて、こりゃとんでもないですね。
私は、これ高すぎるので分売の輸入版を買いましたけれど。ベートーヴェン:交響曲全集~2009年ボン・ベートーヴェン音楽祭ライヴ [DVD]
- 出版社/メーカー: SMJ(SME)(D)
- 発売日: 2010/11/24
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序奏の「タ、タラララララララ…」のトリルの前打音が、ほんとにちゃんと「直前に一つ打つ」音として、くっきり決まっていて、この人たちは何に命賭けてるんだと思っているうちに主部に入って、もう、耳が釘付けですが、そこは録音ですし、いつかきっとまた実演に接する機会があるだろうと信じて、映像について。
カット割りがものすごいじゃないですか。目が回りそうに切り替わるのは、こういう演奏だから俺たちも本気出すぞ、ということだと思うのですけれど(Deutsche-Welle TV)、目が慣れてくると、ただ切り替えが多いというのではなくて、曲のリズムにシンクロして乗れるタイミングより前や後にズラしてスイッチングするから、ガクンと衝撃があるようですね。1小節と3拍くらい指揮者を撮って、このままいくかと思ったら、チェロの踊るように跳ねる弓のアップに切り替わって、次の小節2拍目には、もう、その先の入りを準備する木管を横から映す……とか。
全景で見ると、舞台上に4台くらいカメラがいて動き回ってますね。
そうしてベートーヴェンとっておきのコーダに入るあたりで、コンマスが前傾姿勢で指揮者を見上げる変な顔が一瞬入って、なんじゃこりゃ、と思っていると、正面から撮った指揮者が棒を振り下ろしてガーンとトュッティの和音が決まって、その後、トランペットのマウスピースのアップとか、再現部までのソナタ本体ではやったことのない奇妙なショットの連打で、もう無礼講な大騒ぎ。
この調子だと「第九」はどうなっているのか……。
あれもこれも、たくさん素材を撮っておいて、編集を徹底的にやっている感じなので、演奏の凄みとはちょっと性質がちがいそうですが、
ブレーメンのドイツ・カンマー・フィルは、演奏が切れてるだけでなく、変な人が集まって妙に盛り上がる場所なのかも(だったのかも?)しれませんね。詳しいことはよく知らないのですが。