見えないものが見える話

[追記あり]

以下、わたくし以外にはまったく無意味なエントリーではありますが、

  • (1) 三谷幸喜の映画は必ず映画館で見る。
  • (2) DVDが出たら買う

「ラヂオの時間」以来のわたくしの決まりになっておりますので、「清洲会議」は、必ずどこかで時間を作って行きます。

これはもう、わたくしの人生の問題なので説明抜き、問答無用です。

以上

(ね、無意味な記事だったでしょう。)

ステキな金縛り スタンダード・エディション [DVD]

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[追記]

テレビの「金縛り」は終わりましたので、少しだけ冷静に補足しますが、

先週から今週にかけて、いちおうオペラと呼べるであろうものを3つ観て、ひとつは今日が初日の関西二期会の「魔笛」で、これは芸術祭参加公演なのでコメントできません。(8月のコンヴィチュニーでスコアと付き合わせながら10日かけて勉強したところでしたので、妙な巡り合わせではあったのですが、それはそれ。)

その前に先週(10/29)は、新国の高校生オペラ観賞公演の「夕鶴」というのを拝見しまして(並んで当日券買いましたよ)、大フィルがオケ・ピットに入る今では本当に珍しい機会でしたし、オッサン臭い因縁話に仕立てるとしたら、1952年に朝日会館でこの作品を初演したときのオーケストラは、(歌手は藤原歌劇団メンバーですが)オケは大フィルの前身、関響だったわけで、どうやら大阪音大のカレッジ・オペラハウスに團伊玖磨が来て、この作品を指揮した公演を、今回の主演の石橋栄実さんは観ていらっしゃったらしいのですけれども、

実際に舞台を観て、わたくしが一番感動したのは、与ひょうが「お金」の話に夢中になると、つうには与ひょうの声が聞こえなくなる、という場面。その伏線で、最初のほうに、惣ど&運ずの声が、つうには聞こえない、という場面があるわけですけれども、あそこで、なるほど、つうには聞こえていないんだろうな、という風に思えたのは、与ひょうの望月さんのお芝居に何かコツがありそうな気がしたのでした。

そのときは、単にそう思っただけなのですが、考えてみれば、映画「……金縛り」は、ずっとそういう風に、西田敏行のことが見える人にだけ見えて、見えない人には見えていない、という演出でやっているわけですから、ああ一緒だ、と言えないこともないかもしれませんね。

      • -

で、先日(11/8)は、試写会だけではどうにも落ち着かなかったので、メトのライブ・ビューイング「エフゲニー・オネーギン」、大阪駅の上の映画館で朝から観てきました。

通勤時間帯直後の、なんとも殺伐とした感じの大阪駅へ行くのは、率直に言って決して快適な体験ではなくて、駅ビルの11Fに上がってしまえば(エスカレータも朝は空いてますから)、見晴らしのいいテラスがあって、それなりに外界から遮断された感じではあるのですけれども、何か不思議な空間ですね。

(ポップコーンの臭いが漂うシネコンのロビーというのは、オペラを観るぞと思うときの感じとはやっぱり違う。)

ただ、足のご不自由な、杖をついてゆっくり階段を上がられるおじいさん、おばあさんが何十人も集まって来られる会場・時間帯というのは、普段なかなかそういう場所へ足を運ぶことがありませんし、決して数が多いわけではないけれども、そういう方々に楽しんでいただける場がある、オペラがそういう方々に楽しんでいただけるコンテンツになり得ている、ということがわかったのは、貴重な経験であったような気がします。

メトのライブ・ビューイングとは何なのか、というのは、でも、もう少し何度か観ないと、何とも言えないなあ、と思いました。大きなスクリーンで細かいところまで見える、ネトレプコ様のアップ、というのは、それだけで嬉しいわけですけれども、歌劇場にいるかのような臨場感、というのとは、またちょっと違うような気もしますし……。

(で、やっぱり第1幕のカメラは良くないと思う。ネトレプコのタチアナが夢見る文学少女で、村人のダンスに全然興味がなくて、ダンスそっちのけで途中で椅子に腰掛けて物思いに沈んでしまうプロセスを、ちゃんと撮れてないですよね。ダンス直前に一度写って、次に彼女が写ったときには、もう、椅子に座ってるし……。大事なカットを取りこぼしているのは、逆に、本当に本番一発取りだった、という証拠かもしれないので、文句を言ってはいけないのかもしれないですけれども……。で、真面目そうな役者さんなので、徹夜で一生懸命手紙を書く少女の役はぴったりだと思うし、これが大写しになるのは、何度でもお金払って見に行っていいかも、と思います。どのように成立しているのか、言うのはややこしそうですが、映画館でこれを見せる、というのは、諸々の合わせ技として、成立はしているんだろうなあと思います。)

ともあれ、そういうわけで、久しぶりに映画館(しかもシネコン)へ足を踏み入れましたので、来週もう一回、三谷幸喜を見に行くか、という気になっているのでございます。