谷崎潤一郎と歌舞伎とオペラ

武智鉄二「1959思い出のステージアルバム イタリアオペラ」『音楽之友』1959年12月号、p.50。

シミオナートは世界最高の名優だと思う。オペラ歌手としては……というような、条件つきの名優ではなく、演劇もバレエも、すべての舞台芸術を通して、第一級に位する大女優なのである。私は彼女の芸品の中に、六代目菊五郎に匹敵するものを見出す。シミオナートの『アイーダ』を見て、谷崎潤一郎先生は、「歌舞伎よりもおもしろい……もう歌舞伎を見る気がしない」という意味の感想をもらされたが、私もまったく同感である。

私がすぐ挙げられるのはこれだけですが、似たような趣旨の文章を武智鉄二は他でも書いていたような気がするので、それを読まれたのでは……。

もちろん、上の文章から「谷崎は六代目の死後、一時期歌舞伎から遠ざかった」とはなりませんが。

この記述は何に依ったのかなあ。そういう事実はない。

2013-11-28 - 猫を償うに猫をもってせよ