自称と他称

「自称芸術家」は勝手に言ってるだけだが、「みんなの意見」で「他称」してもらえたら、それで「芸術家」に「なれる」というわけでもなかろう。

素数の音楽 (新潮文庫)

素数の音楽 (新潮文庫)

シンメトリーの地図帳 (新潮クレスト・ブックス)

シンメトリーの地図帳 (新潮クレスト・ブックス)

このところ、息抜きに数学読み物をパラパラ眺めている。

デュ・ソートイは、「ああ、大学ってそういうとこだよね」的な人間臭さを感じさせながら書くのが上手。

自分の経験に照らして、こんな感じのことなのだろうと類推しながら読み進めているだけで、素数とかリーマン予想とか、数学としてわかったわけではないから、「お話」を楽しんでいるだけではあるけれど、数学と物理学がつながりそうなあたりで何かを考えていたと思しき松下眞一は、このあたりの領域の、ソートイに紹介してもらえるような幹・主流とまではいかないあたりにいたのかなあ、と思う。

自称芸術家、というのは、「フェルマーの最終定理の証明ができた!」とか、「聖書の暗号を解読した」とか思いこんで、大学に手紙を出す人、みたいな感じでしょうか。

音楽だと、楽曲分析(この曲にはこんな秘密が隠れている等々)の分野で、そういうことを「自称」で楽しむ人がいる。