基礎工事重要

偽ベートーヴェンの人は素に戻るとオジサンだったが、万能の人は素に戻るとコドモだった。(ふわふわした「声」が最初に動く姿を拝見したときから気になっていたのですが(質問する記者さんたちの声と比較すると差が歴然としているように思う)、ご自身のことを語るときには、ホームポジションのようにこの声に戻られるようですね。業務や研究の話になると声色が変わる。ある種の音楽・語りとして興味深いと思いつつ、長時間聞き続けることもなかろうと5分で視聴中止。声を採譜して分析するオモシロ文化人は、別にこの件には要らんでしょう。)

[この種の声を発する方と遭遇した場合には、これとは違う種類の声を発する人格がその人のなかに現れるのを待って、その部分人格とのみ交信する。そういう人格がいつまでたっても現れなかったり、出現してもきわめて不安定である場合には交信を断念する。それが安全な日々を過ごす経験則だと、わたくし個人は思っております。生活上・業務上の必要がないのであれば……。ヒトは様々ですから、この種の声をお持ちの方と遭遇することは、常に一定の割合で、あって当然なのだろうと認識しておりますが。]

しかしどちらへ向かうにしても、まだこの先も収束までには人とお金といろいろなものが動くんですよね、たぶん。

物事が大きくなればなるほど、あとから軌道修正するのは大変なのだから、大きなことをやるときには「基礎工事」が重要だと改めて思う。

新入生や二年次の音大生さんのための授業が始まった春でございます。このなかから十年にひとり、二十年にひとり、大きな舞台へ羽ばたく人が現れるかもしれないと思って取り組まなければなりますまい。