小山清茂「太神楽」

小山清茂 吹奏楽のための「太神楽」

小山清茂 吹奏楽のための「太神楽」

ひとつずつ資料を整理しているところなのですが、1971年というタイミングで日本の吹奏楽にこの曲が投入された(音楽之友社の楽譜発売とほぼ同時にタイアップしたレコードが出た)意味は大きいかもしれない。

ニッポンの吹奏楽はこの作品が指し示す方向に進んだわけではないけれど、山田一雄とN響管楽器セクションの演奏も素晴らしくて(無料動画サイトに復刻CDの音源がアップされていたりしますな)、この時点でこんなことができていたんですね。

ニューサウンズ・イン・ブラスのスタートが翌1972年で、音楽之友社が創立三十周年記念で委嘱した兼田敏のパッサカリアの出版は1973年。

どうやらこのあたりに節目があるのは間違いなさそうだ。

日本の吹奏楽は、このあたりから、「文化系」の軟弱な中高生が「思い出作り」で入部しても大丈夫なように「福利厚生」(?)を整えて、急速に事業拡大して躍進する。

(小山清茂は自分の和声理論を後年詳細に説明していますが、やっぱり、読んでおいたほうがいいのか。)