破壊衝動

精神の変容 (現代の起点 第一次世界大戦 第3巻)

精神の変容 (現代の起点 第一次世界大戦 第3巻)

前に単著で自由に書いていたときよりも、共同研究のまとめ役の立場で書いている序文のほうが、岡田暁生の説明は緊張感があってうまくいっているような気がする。

従来の芸術史・文化史に、「世紀末」と「戦間期」があるのに「大戦期」がないのは妙な話だ、とか何とかいいながら、ハイアートにおけるモダニズムの破壊衝動のようなものが、年表上の大戦争の勃発に数年以上先駆けており、年表上の終結・講和のあともその影響が続いている、ということが指摘される。

第一次大戦から100年だというのに音楽関係でめぼしい企画はないようですが、確かに「大戦期の音楽」を特集しようとすると根性が要りそうではありますね。