「……。」

2014年の夏休みは、みんなの頭がパーになる特別な「とき」だったのかしら。

音楽自体は「もの」ではないが、楽器とか会場とか、オーディオ再生装置とか、音楽を成立させるためには、めちゃくちゃたくさん「もの」が要る。そして、絵画もまた、煎じ詰めれば、人間の網膜が平面への光の反射を受け止める行為である、と考えれば「もの」じゃないわけだから、美術だって、それ自体は「もの」ではないけれども、絵の具だカンヴァスだ、という風にそれを成り立たせるために多くの「もの」が必要になってしまうに過ぎず、音楽と対立しているわけはない、と言い張ることだって、不可能じゃない。

「芸術学」にはそういうことをあれこれ吟味する議論もあるはずだけど、美学概論を知らない人には難しいかな。

「もの」へのこだわりを捨てたいなら、家の冷蔵庫を処分して、ものが腐るに任せてはどうか。時の変化に身を委ね、どんなものでも食べられるように己を鍛える食生活……とか。