興行の資金繰り

[追記あり]

http://www.tmso.or.jp/j/topics/detail.php?id=688

おおざっぱな計画でとりあえず海外へ出たのはいいが、資金が尽きてなかなか帰ってこられなくなっちゃったオーケストラの話とか、昭和の半ばの頃には出てくるけれど、その頃と今とで何がどう変わっているのか、知りたい。

相手のあることなので、日本が勝手に自分に自信を持ったり、身なりを美しく整えれば済む話ではないはずで、「旧来のレジームの脱却」を言い出したあたりから世の中のあっちこっちのインフラのほころびが話題になる今日この頃、遂に、音楽マネジメントの何かが露見したのか?!と色めき立ちたい感じもするのだが、実際のところはどうなのか。

[追記]

Megumi Moriokaさんがリツイート Ichiro Tanaka @tanaichikun · 10 時間

@nekotausagi @MegumiMorioka 去年、某新聞社が東京ドームにヴェローナ野外オペラを呼ぼうとして失敗した例もありますし珍しいことではないかもしれません。

Megumi Moriokaさんがリツイート ウサギ @nekotausagi · 11 時間

【急告】都響ジュネーヴ公演・中止について (10/13、日本・スイス国交樹立150周年記念特別コンサート) http://www.tmso.or.jp/j/topics/detail.php?id=688 … こんなことってあるの??

ソーシャルネットワークなるものの上で、ぼんやりした会話を曖昧に収めるなら、こんな感じにリツイート並べとけば済むのかもしらんが(それだけでも、おそらく事実関係がよくわかってもいない段階で、他人事とは言えぬはずの案件に特定のホールの担当者がこういうとこへ踏み込むのは、よーやるなあ、と思うけど)、

[「梶本が放置したタレントを救ったのはワタシ。見事にコンサートを成功させたでしょう」という意味に受け取ることのできるメッセージを昨年は実名込みで新聞に発表して、バックの会社がでかいこともあり、とりあえずそれはそういうことで通ったわけだが、ほんとうにキツくなるのは、これからじゃないかと思うぞ。余談だが。]

日本の国内にいろんな興行師・いろんなマネージャー・マネジメント会社があり、だれそれに頼んでよかったor失敗したから次は別のところへ頼みましょう(でもシガラミがあるからそれも簡単じゃないんだよね)等々ということがあるようだし、どこの国でもそんなものだろう。そしてこのケースは、間にどこが入ってどういう仕切りだったのか、そこがわからないと何も言えないよね。

そしてここ1、2年、どうやら水面下で「そろそろもう一回、日本のオーケストラの海外公演をビジネスとして仕掛けたい」とあれこれ画策しているらしき気配があるみたい。(昭和後期に色々あって、1980年代以後は下火だったのを再着火させたいみたいだね。)

そのあたりとの絡みで、これはいったいどーなってるの、ということですよね。

そしてさらに言えば、もう10年くらい、東京のオーケストラの指揮者の常任ポストはみんな外国の有名どころの出稼ぎで占められているじゃないですか。(だから常任といってもその都市どころか国内にすら住んでいない。当然、病気療養中の指揮者がおかげさまで順調に回復したからオケのコンサートにふらりと顔を見せる、というような嬉しいサプライズを演出することもできない。「常任」といっても、「常にいる人」じゃないわけ。なんか変だよね。たぶん、外国人しか定期の指揮台に立たせないN響の悪弊の影響で、いいオケ=ガイジンが指揮するオケ、という変な思い込みが頑固に根を張って、みんながそれに振り回されているのだと思うけど。)そういう風な、外国人音楽家を「呼ぶ」業務の流れと、今回のような、日本の音楽団体を外国に「送り出す」業務[←「送り出す」であり「売り出す」とまで言えるかどうかは微妙]は、同じ人たちがやっているのか、別なのか。もし、同じ人たちがやっているのだとしたら、この件は外国人音楽家の来日関係にも影響しかねないことになったりするの。しないの?

音楽家でも、興行師でも何でも有能な人材はごく稀だが、広報なども全くそう。毎度同じパターンの褒め言葉で「聞き逃せません、必聴」などと言われても、買う気も失せるくらいのもの。

http://yohirai.asablo.jp/blog/2014/09/19/7438475

一般に人気商売に関わる人たちは、同業者や商売道具であるタレントを露骨にけなしたりしない。上の引用は、珍しく「本音」を語っているかに見せているが、そうではなく、リンク先で続きを読めばわかるように、このような前振りでの貶しは、「○○さんたちはそうではなくすばらしい」という本論の誉めを強めようとするレトリックに過ぎない。いわば、誉めるための踏み台ですな。

「興行師でも……広報でも」有能な人材は稀だ、と喝破するような物の言い方があり得るのだとしたら、じゃあ今回の件に関わった人たちは、有能だったのかそうじゃないのか、知りたくなるのが人情だわな。