「サプライズ・ゲスト」?

落ち穂拾いその2。

1982年、母に連れられて渡米、ジュリアード音楽院において高名なディレイ教授の下でヴァイオリンを学ぶ(入学オーディションではバッハの「シャコンヌ」を通しで演奏して審査員を驚かせた)。同年12月31日、11歳で、ズービン・メータ指揮のニューヨーク・フィルハーモニックとパガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第1番」第1楽章で「サプライズ・ゲスト」として協演して米国デビュー。日本でもニュースになり、「天才少女デビュー」という見出しで報道された。

五嶋みどり - Wikipedia

あの〜、五嶋みどりが1982年末にメータ指揮ニューヨーク・フィルと共演する予定だということは、同年12月1日付け(11月中には配布されていたと思われる)の関西音楽新聞で、10才のあどけない写真入りで報じられているんですけど、それでも「サプライズ」だったのでしょうか。報道陣がめちゃめちゃ準備万端で待ち構えていたから、「日本でもニュースになり、「天才少女デビュー」という見出しで報道された。」が可能だった、というようなことはないのでしょうか。

ニューヨークフィル イヤー・イヴ・コンサート “五嶋みどり”が出演
さる四月、第14回大阪フィル推せんコンサート「明日のホープたち」でパガニーニのヴァイオリン協奏曲を演奏し、希有の天才ぶりを発揮して、聴衆はもちろん、オーケストラ・メンバーを驚かした大阪生れ、十才のヴァイオリニスト、五嶋みどりちゃん(現在・ジュリアード音楽院在学中)が、歳末、ニューヨーク・アベリー・フィッシャーホールで開かれる恒例のニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団のイヤー・イヴ・スペシャル・コンサートに異例の年少ソリストに抜擢されて、十二月三十日、三十一日、一月一日、一月二日の四日間、いづれもズービン・メータの指揮で四曲のヴァイオリン協奏曲を演奏することになった。
(『関西音楽新聞』367(1982年12月1日号)、7頁)

記事の最後に東儀祐二先生の談話があるので、五嶋ママから東儀先生に連絡が入って、それがこうして表に出た、ということかもしれませんね。相愛ヴァイオリン専攻の躍進(いずみシンフォニエッタ大阪にもいっぱいいる)がまさに始まろうとする頃の話だ。