音楽学にも「広報」が要る

一説によると、音楽学は総合大学における文系がそうであるように、実技系大学における「役立たず」とみられてしまう可能性が高く、口先ばっかりで人や金を生まないと思われる可能性が高いらしい。

先に音楽分析のことを書いたが、「例えばこういう本を皆さんも利用するでしょ? 音楽学ってそういうことをやってるんですよ」というのを、単なる面白エピソードでなく説得できる材料を、学会とか立派な大学の肩書きをもってる先生とかが、ちゃんと発信してくれないと、現場はめっちゃ困ると思うよ。

美しいおいしいケーキのお裾分けだけではどうにもならんことがあるってことだと思うな。

楽譜の読み方とか、作品の来歴・作曲家の経歴の細かな情報、専門用語の説明とかだけでは弱い。実演家に本気で食い込む何かがないと、「オマケ」扱いは変わらないよ。

(そういう風に「実力」が実演家から見えない状態のままで、会議や審議会などのデスクワークで「影の権力」を操る、みたいなことになると、ますます、胡散臭い連中、と思われる悪循環だからね。自分たちに何ができるか、公然とデモンストレートしないとダメよ。)