(岩下志麻登場は、なるほど最強の北大路対策だなあ、と感心したわけですが、メガネをお召しになると、頬が若干たるみ気味でいらっしゃることが強調されて、一瞬、晩年の朝比奈隆に見えた。
シカゴへ行かせよう、とか、リングを振らせよう、とか、世間が勝手に話をでかくするのは世の習い、泰然自若としていなさい、というスタッフへのエールであろうか。
あのドラマのポイントは顔だと思う。道具立てのインフレにもかかわらず、第1シリーズ以来の出演者たちの表情は醒めていて、マイペースで何も変わってない。本シリーズから出てきた関西のメガネのおっちゃんなんて、今回は台詞ゼロで、脚本には登場しているのかどうかすら定かではないのに、顔芸のみの黙役で今後への含みをもたせる演出になっている。登場人物が多すぎて、脚本家さんが使い切れてないのかもしれませんね。
圧力に負けて、レギュラーの方々までもが「巨大化」しちゃったりするのかどうか。そこを見守りたい。
米倉涼子が手術の最中に目を向くのは、「巨大化」の兆候のような気がして、ちょっと心配。シリーズ安定走行のためには、手術シーンにも何かお約束が欲しいのだと思うが、周りが時代劇芝居の応酬になっている今こそ、米倉は普通にしていて欲しい。)
「国書刊行会」からレンガのように分厚い三巻本で、解説:岡田暁生とは……。根拠のないインフレはドラマの中だけではないようだ。スルーしよう(笑)。
- 作者: 柴田南雄
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2014/10/13
- メディア: 単行本
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