告白する「私」

アウグスティヌスの愛の概念 (始まりの本)

アウグスティヌスの愛の概念 (始まりの本)

アウグスティヌス―“私”のはじまり (シリーズ・哲学のエッセンス)

アウグスティヌス―“私”のはじまり (シリーズ・哲学のエッセンス)

「他人の言葉」を巧みに複写するゲームが瞬間風速を消費しているのとはほとんど関係なく、アウグスティヌスが神学では愛や三位一体の人である一方、哲学では「私」を立てた人として注目されていることを知り、「自我」を近代化論やメディア論で清算できたつもりになってはいけないのだなあ、と気を引き締める。

(ヘーゲルはキリスト教世界を全部まとめて「近代」と呼び、ニーチェはこれを全部まとめてひっくりかえした自負があったようだから、アウグスティヌスこそが「近代化」問題である、とする立場があり得るかもしれないけれど。)