「お守り言葉」

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

進化論でダーウィンの周囲にラマルクとスペンサーを置く、という構図で、期待したほど話が広がるわけではなかったが、

「バズワード」がいかに世間に広まってしまうものなのか、科学と社会とビジネスがぐちゃぐちゃになった2000年代の反省を踏まえた隠喩的な文章だと思って読めば、なるほど「バカの壁」の先生が帯で絶賛しそうな、世間とは何かということを丁寧に説明した本である、ということになりそう。

科学読み物も、日本人向けに書くときには、こういう風に「世間」とか「空気」とか呼ぶしかなさそうな集合無意識の動き方を考えに入れないといけなくなるものなのか……。