談話の補足

日経大阪版にいずみシンフォニエッタ大阪に関する記事が出て、最後に私の談話として「」にくくった言葉が出ているようですが、電話での記者さんからの取材時には、ここで引用されているコメントのあとで、ほぼ次のようなことを申し上げました。

「新作の委嘱も継続して行っているが、いずみシンフォニエッタ大阪の主な存在意義は、むしろ、一般には1970年頃を頂点としてピークを過ぎたと思われている20世紀の実験的な音楽に21世紀の現在の視点からの新しい楽しみ方を提案(もしくは模索)しようとするところにあると思う。そもそもこの団体は20世紀の最後の年である2000年に発足している。リゲティ、カーゲル、武満徹などの作品の演奏が話題になったのも、20世紀の音楽を21世紀に伝える活動と見るべきでしょう。」

記事の主旨とは違った視点からのコメントなので採用されなかったものと思われますが(取材時にも「私はこう考えますが、使えないかもしれませんねえ」という主旨のことを言い添えている)、でもまあ、「一度盛りを過ぎたもののリサイクル」というのは、20世紀を歴史に登録するプロジェクトの一環として、21世紀である現在の重要な課題であるというのが私の現在の考えです。