フーガいろいろ

メンデルスゾーンの讃歌には合唱が通模倣っぽく歌い出す曲がいくつもあるが、実はバッハ風のフーガの様式でかっちり書いてあるのは1箇所だけ(だと思う)。

1箇所はバッハ風になっているのだから、そういうのを知らない/書けないわけではないと思われ、「知らない/書けない」とは違うんだよ、というアリバイとしてバッハ風のフーガをひとつ入れた、ということのようにも思える。

それじゃあベートーヴェンの後期みたいにソナタ風のフーガを書いたかというと、そういうわけでもないし(最後のフーガはちょっとそんな感じもあるけれど)、メンデルスゾーンにとってフーガって何だったんだろう、と少し思う。

和声法も、「一冊ですべてをまかなえる決定版が存在すべき」とか、そんなことはありえないわけで、複数の和声法が並び立てばいいんじゃないかと思うけどねえ。