総工費3600億円

ところで、1959年に着工して1964年の前回の東京オリンピックに間に合わせて完成した東海道新幹線の総工費は当時のお金で3600億円だったとウィキペディアに書いてある。(今の物価水準に換算したらいったいどれくらいなのだろう。)

5年で完成したのは、土地買収や技術開発がそれ以前に根回し済みだったから、であるらしい。

世界銀行から8000万ドル借金したそうだが、それは総工費の1割に満たない額だし(=8000万×360円)、あとはどうやって調達したのだろう。

国家的プロジェクトって、こんな感じのスケールで進むものなんだね。

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総工費2500億円の例のあれは、話の進み方がグダグダ過ぎる、というのがあるにしても、国家の一大事風に報道・議論するには、色々なことがちっちゃ過ぎるんじゃないだろうか。

どのように決着するにせよ、あれは「日本の技術力を世界に誇る」というレヴェルの話ではないと思う。

晴れがましい場に着ていく服をどうしよう、オーダーメイドはユニクロとお値段が桁違いなのね、という井戸端会議な感じがします。

(ここでこんな風に揉めているようだと、おおかた開会式の中身はどこかの広告屋さんに丸投げで、チャン・イーモウ演出のトゥーランドット@北京五輪、みたいなことは起きないのでしょうねえ。)

表象〈09〉:音と聴取のアルケオロジー

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セミオトポス10 音楽が終わる時: 産業/テクノロジー/言説 (叢書セミオトポス 10)

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これからはもう「音楽」じゃない、「聴覚文化」の新時代だ、と立派な学会の名前を出して騒ぐのが流行っているわけだが、協力するにせよ潰そうとするにせよ、国家プロジェクトと切り結ぶ戦略などなさそうなのに、妙にかけ声が勇ましいのは何なのだろう。