手書きのくずし字

阪大の2年の時に、今では何かの記念館になっているイ号館の一番上の部屋で大和物語の陰影本を読む授業を受けた。

ベルリンの図書館の音楽部門には、癖の強い手書き資料を読む人達がいた。

東洋でも西洋でも、人が文字を手書きしなくなったのはごく最近のことだ。

既に活字になって頒布されている資料だけを使い、ましてそれらを情報化したデータベースだけを使って、上流がどうなっているのかについては、教員ですら知識も経験もない。金は払うが人材供給とインフラ整備は知りません、ということになったら、水源や上流は、そりゃ枯れるだろう。

まともな大学の歴史や文学の本家は大丈夫だろうし、ブラタモリな郷土史家の皆様は、そういう人達が上手に地域創生を利用している様子を伝えてくれるが、支流の音楽を含む各種文化研究は大丈夫なのか。

オレはこんなに無力だぞ!どうだまいったか、とマウンティングの文体で発言するのは、話の内容と形式が齟齬を来たしているよね。