前の記事の続き。
私は管理と蒐集を欲望しない、というのはそうなのだけれど、それじゃあ、あれは、いったい何を管理・蒐集しているのだろう、と考えると、ギャンブルとは別の仕方で偶然 chance を取り扱う方法を提案しているのかもしれない、と思った。
カイヨワの遊びの分類で言うと「アレア」ということになるのでしょうか?
私は、サイコロであれクジであれ、アレアっぽい運試しに熱中できない性分なので困ってしまいますが……。
(囲碁のほうがずっと面白いじゃん、と思ってしまうのだが、囲碁は、カイヨワの分類に照らすと「アゴン(競技)」になるんですね。分類というのは、それとこれとは別物だ、ということで、アゴンとアレアが相互の優劣を競っても不毛でしょうから、ここはこれ以上突っ込まない。)
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あのゲームは、「もうギャンブルは要りません。サイコロを振ったり、ルーレットを回したりして、運試しのスリルに身をさらさなくても、地上のどこかを歩き回るだけで、あなたには幸運な出会いが用意されています」ということですね。
そして、
その「幸運」は、図鑑(データベース)に照らせば、たちどころにその度合いを知ることができますし、私達のソフトウェアは、どこに「幸運」がかくれているか、あなたを導くヒントをご用意しています。
という親切設計になっているわけだ。
拡張現実の手法は、GoogleMap を介して、地球を巨大なサイコロに変換しているのかもしれませんね。(土管が貫通したり、サイコロとみなされたり、拡張された地球は大忙しである。)
梅田で本屋の帰りに駅の「大いなる正面」(21世紀の梅田には大阪駅の北側を「正面」であると主張する一群の高層ビルがある)に寄り道したら、大量のアヒルに混じって「幸運」が1匹出た。