学術発表の事前非公式検閲を推奨する学会とは?

妙な話なのでそのうち補正されるだろうと思っていたのだが、その気配がないのでここに書いておく。

日本音楽学会の全国大会の発表にエントリーした者には、一斉送信で次の文言を含むメールが届いているが、これは何なのだろう?

なお、各発表者におかれましては、
そのセクションの司会者に個別に連絡を取り、
打ち合わせを進めて下さいますようお願いいたします。
また必要に応じて、
配付資料・読み上げ原稿・プレゼンテーションソフトのデータ等を
大会の1週間前をめどに司会者に送ることが望ましいことも
併せてお知らせいたします。
司会者のメールアドレスは学会名簿でお確かめ下さい。
不明な場合は大会実行委員会までお尋ね下さい。

事前に各セッションのテーマとモデレーターが告知されて、その枠に入ることを前提として発表を申し込んだのであればともかく、自由テーマで募集した発表を事後に分類して、司会者を依頼しているだけなのに、この大会は、司会者にどういう権限を付与しようとしているのか。そしてこれは、最近の学会では一般的な手法なのだろうか。

メールアドレスは発表者が自力で見つけて、個別に司会者と連絡をとりなさい、とか、大会の公式的な進行とは無関係に、水面下で司会者と発表者が接触する不透明な状況を作り出して、いったい何のメリットがあるというのだろう。

私は、お忙しいに違いない柿沼先生にわたくしごときの発表でお時間を割いていただくなど、申し訳なさすぎるので当惑しているのだが……。