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シューベルトとブラームスの alla zoppa

ブラームスの第1交響曲第2楽章の弦楽器のシンコペーションの上で歌うObとClはシューベルトの未完成の第2楽章を本歌取りしているのだろうと前から思っていて、いつも授業でその話をしてきたのだけれど、これは未完成交響曲が alla zoppa (よろめき)の修辞を活用している、という言い方をすればいいんですね。バロックのレトリックがおそらく多感様式経由でシューベルトに流れ込んで、ブラームスがそれをこの人らしく滑らかに洗練させている、と。

絵画のイコノロジーを考えれば、キャンバスに何でも好きなものを描くことができたわけではない近世に音楽だけが自由に音を組み合わせていたはずはなく、絵画では印象派が破壊するまでそういう伝統が続いたのだから、音楽だってバロック以来の修辞なしにはロマン派もあり得なかったと考えた方が整合的ですね。19世紀は、まだまだ、文学といえば韻文という時代だったのだし。