プロメテウス神話は、「火」を授かり、その取り扱いを覚えることで人間は文明化した、というような話だろうと思いますが、だとしたら、「炎上」という名のすべてを焼き尽くす過剰な火と、出火を恐れる神経過敏の両極に引き裂かれた情報の社交空間は、文明以前の野蛮、ということになるかもね。
(まあ、ザッカーバーグがfacebookを考案する経緯とかを映画で見たら、北米エリート校男子たちの生態は、確かに「野蛮」だしね。)
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火を恐れて排除する安心安全こそが文明である、というような愚かで野蛮な誤解に陥らないようにしたいものである。
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ところで、京都の大学生たち(その通過儀礼はザッカーバーグの北米エリート校男子の生態と似ていなくもない)がホルモーなる拡張現実に狂奔するこの話(小説の映画化)は、今思えばポケモンGOを予見しているかのようなのだけれど、たぶん、そうではなく、大学生が下宿でビデオゲーム三昧だったゼロ年代の想像力と、立命館あたりの学園祭の風習などの組み合わせ、ということでいいのでしょうか?
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京都には、送り火だけでなく、「火」の祭りが色々あるみたいですが。
そして折しも「ブラタモリ」は、坂の街大阪という織田作之助風の上町・谷町の話に「太閤はんの地下組織」を絡めて、同じ作家のもうひとつの小説に似た何かにアプローチしていましたが。
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(「背割り」(←始めて知った)は、通りの名前が地名であるようなヨーロッパの都市の作りをどこかで参考にしたんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょう? 日本でも、京都市街地は、町名表記ではなく、通りの名前で位置を特定する習慣が今も残っているようですから、秀吉の「発明」とまでは言えなさそうな気がするのだが。)