知の経済的自立

会場を提供してあげるのだから大会の運営は私の思うがままにさせてもらう、というようなお殿様気分の先生が台頭してしまったり、助成金が欲しければこれこれの条件をあなたたちの団体が満たしてくれなければ困ります、という話法で介入する行政統治機構に支配されたり、そういうことに振り回されて泰然自若としていられるほど人間は強靱ではないのだから、現状で学問が学問としてやるべきことを直裁にやろうとしたら、逆説的に思えるかもしれないが、経済的に自立してしまうのが早道だと思う。

学会の例会や大会は、定期的に使える場所を確保して、その費用と出席者・スタッフの日当その他を全部計上して、参加費は、今の相場の数倍になったとしてもいいんじゃないか。それだけの金を払える人が少なくて小規模な集会になるとしたら、それは、むしろ、議論の密度が高くなるから好都合だろう。

ほぼ同じことを前にも書いた気がするが、経済原理をそういう風に利用する知恵がないから迷走するのだろう、という思いがさらに募る名古屋行きでありました。

(経済的に自立していれば好きなこと言って大統領にまでなれてしまえる、という世の中を私達は生きているわけですから、対抗して生き延びようと思ったら、それくらいの覚悟が要るでしょう。)