20世紀後半の音楽史における音楽学

私は、日本音楽学会という団体の歩みを、20世紀後半日本の洋楽史の一部だと捉えています。当然そうなりますよね。大学のサークル活動が歴史記述の一部であるのと同じ資格で、大学教員たちの課外活動としての学会運営も歴史を形成している。それは、コンヴィクトの同窓会サークルがシューベルト研究の一部なのと同じことだ。

そしてこの視点がないと、たぶん、学会の儀式性と知性を十全に分離・解析することもままならない。

ニュー・ミュージコロジーって、本来、そういうことですよね? 19世紀音楽文化のイデオロギー批判とか、舶来の流行の後追いとか、そこで止まって他人事にしてしまっていいはずがない。