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「コンテンポラリー」の正体

戦後日本のアートでさかんに言われた「コンテンポラリー/同時代」の概念は、海外での成功によって国内のアカデミズムを出し抜く在野の芸術家という類型に支えられていると思うのだが、彼らの国内での立場がどのようなもので、国外での立場がどのようなものだったのか、名声や評判の正体を正確に監査する段階に来ている気がする。

武満徹の評伝には、そういう帳簿作りのための基礎資料を期待したのだけれど、どうやら、そういう用途を想定した書き方にはなっていないようだ。生前の武満徹とその周囲の人々の証言を丹念に組み合わせて、「語られなかったこと」に踏み出さない本なのかもしれない。長大で、まだ最初のほうしか読んでいないけれど。