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辺境と交易

人類の記号操作において、韻文と物語、二次元・三次元の図像・造形、演劇等が長い伝統をもつ古典を形成するのに比べて、マンガやアニメーションが周縁的であったり、文化的な価値を認定されるのが遅れた後発であったりするのは確かだろうし、文化と呼ばれるこの種の記号操作を知や政治や宗教と組み合わせる「文明」の地球上の配置を考えたときに、アフリカ・エジプトとヨーロッパと中東の交差点のような地中海であるとか、東アジアの一番豊かな地域を押さえた中国であるとかとの位置関係、シルクロードやユーラシア大陸の南側沿岸海域での日常的な交易、大西洋と太平洋を横断する冒険的な大航海といったことを考えたときに、日本と呼ばれる列島は地政学的に周縁・辺境だろうと思う。

でも、地政学的な周縁・辺境は、文化・記号操作においても周縁的な作業に専念するのが望ましい。もしくは、好むと好まざるとにかかわらず、そういうところに落ち着くものだ。というのは、交易・経済の原則から考えると、決して自明ではないんじゃないか。帝国主義がどういう経緯で瓦解したか。臣民・領民は、システムの自壊と為政者の油断をただひたすら待っていたわけではないと思うのだが(=「ガラパゴス」論への素朴な疑問)。