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情報理論的な知と情報器機の利便性の混同

科学的推論に、「信念」(私はしかるべき経験からこれを信頼する)という内在的基礎付けの堂々巡りから抜け出す外在的な基礎付けを与えようとする試みのひとつとして、「信頼性」を情報理論的に定義する動きがあったことを知る。

シャノンの通信をめぐる理論にしても、こうした知識の基礎付け論にしても、情報理論が指し示す風景は、情報理論の成果であるに違いないコンピュータ・ネットワークの現状での最大の効用、利用価値であるかのように言われている「データベース化」や「高速検索」、ネットを賢く使ってお気楽生活、みたいのとは随分違うようだ。

知識の哲学 (哲学教科書シリーズ)

知識の哲学 (哲学教科書シリーズ)

情報の流出・炎上とか、何でもコピペとか、集合知による徹底検証とか、ネットが世間で警戒される大きな原因になっている現象は、まだその端緒が見えてきただけなのかもしれない情報社会の未来の予兆というよりも、既存素材の分析・編集・反復という20世紀の(19世紀的な教養に寄生する)知の在り方の最終堕落形態とみるのがよさそうだ。