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協賛と翼賛

信時潔「海道東征」は1940年、皇紀2600年に作曲披露されているが、これは、政府主催の皇紀2600年記念式典そのもので上演されたわけではなく、この政府行事に「協賛」して、別団体が委嘱した作品であるとされている。

(皇紀2600年は、そうした「協賛行事」によって膨れあがったことが知られており、既にそのあたりをまとめた著作・研究がいくつかあるようだ。)

「協賛」の語は、このように、国民総動員・総力戦という概念・体制を構成する枠組としての「翼賛」(メインイベントの主催者とは独立した事業体による自発的な連携)と隣接した歴史を背負っている。

「美学の加速」に学会を巻き込むことの是非、具体的な戦略の成否の総括は、「協賛」(頓挫したそうだが)の語の出現によって、こうした歴史的な文脈をかすかに呼びさますものになったことを、関係者は意識しているのか、いないのか。

政治・運動・実社会へのコミットメントとは、そういうものです。